子供の矯正治療

大人の矯正と子供の矯正の大きな違いは、子供には成長があるということです。
上顎は12歳頃まで、下顎は思春期成長が終わる時期まで続くとされています。子供の頃の矯正治療は、この成長発育をうまく利用し、永久歯列での顎のずれや歯並びの異常を可能な限り改善する必要があります。
子供の頃の治療のメリットは様々あります。

1.永久歯列期での治療を容易化する

成人の治療になると、顎骨の成長は見込めません。著しい歯の凸凹や上下の顎のずれが見られる場合は、抜歯をして治療を行う場合もあります。そういった大人になってからの治療を最小限にするために、子供の頃の治療を行ったほうが有利になる可能性があります。

2.外傷のリスクを軽減する

上顎の前歯が前に飛び出している場合、正常な咬み合わせの人と比較して、歯の外傷のリスクが飛躍的に大きくなります。
また咬み合わせが深く、下顎の前歯が上顎の歯茎を傷つけているときなど、子供の頃の不正咬合は、さまざまな軟組織、硬組織の外傷の原因となります。このようなリスクを軽減することも、子供の頃の矯正治療の目的の1つでもあります。

3.習癖の除去

舌突出癖や拇指吸引癖など習慣的な癖は、歯を動かす力となり不正咬合を生み出します。口腔周囲筋のバランスを整えることで、筋肉の力で歯並びを改善します。

4.自尊心(セルフエスティーム)を持たせる

自分の咬み合わせにコンプレックスをもっている場合、笑うことに消極的になってしまったり、人と会話することが楽しくなくなってしまうこともあり、人間関係の形成に問題が生じる可能性があります。
きれいな歯並びにすることで、自分自身に自信を持たせてあげることができます。

大人の矯正治療

子供の時と異なり、大人の矯正は顎の発育が見込めないため、歯の移動のみによって歯並びを改善する必要があります。しかし、矯正治療は必ずしも小さい頃から始めていないときれいにならないわけではありません。30代、40代からでも矯正治療を始められる方はたくさんいらっしゃいます。
お仕事でお忙しい方も可能な限り負担なく通院していただけるようスケジュール調整に努めております。また、目立った矯正装置を装着したくない患者様には、目立たない装置、取り外しが可能な装置、歯の裏側につける装置など、患者様のご予算やご要望をお伺いし、最適な治療法を提案させていただきます。

舌側矯正歯科治療

患者様のひとつひとつの歯に合わせて作成するオーダーメイドの矯正装置を使用します。裏側につけるので、治療期間中も目立ちにくく、歯の動きを効率的にコントロールします。従来の舌側矯正装置に比べ、装着時の違和感が少なくなっています。歯の大小にかかわらず幅広い年齢層に対応できます。

マウスピース型矯正装置

患者様の歯に合わせて、マウスピース型矯正装置を作製します。マウスピース型矯正装置を装着することで段階的に歯を動かし矯正を行います。目立ちにくく取り外しができて衛生的、口腔内トラブルが少ない等の利点があります。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります

ホワイトニング

患者様からのご要望により、当院でもデジタルホワイトニングをはじめました。診療室でドクター及び衛生士が施術を行うオフィスホワイトニング、患者様にご自宅で使用いただくホームホワイトニングの2種類があります。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

日本矯正歯科学会(2020.4.2発表)より

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • まれに治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
  • あごの成長発育によってかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

※今後修正が加わる可能性があります。